6月12日、埼玉県鴻巣市の「みつぎ農園」では田植えの最終盤を迎えていた。
1.2ヘクタールと大きな区画の田で、田植え機が動いている。ただ、そこに青々とした苗は載せていない。
トロトロになった田の土に、種もみを数粒ずつ落としながら田植え機は前進する。
苗を植えるのではなく、種もみをじかに水田にまく、「直播(ちょくは)」という方法だ。今年、みつぎ農園では苗を作る量を昨年よりも減らし、水稲を植える水田18ヘクタールのうち7ヘクタールを直播にした。「これほど広い面積を直播にしたのは初めて」と農園主の三ツ木宏之さん(61)。
直播には、水を田に入れる前…